「警察です。あなたの口座が犯罪に使われています」
突然こんな電話がかかってきたら、驚いてしまいますよね。
しかも相手が自分の名前を知っていたり、警察署名や担当者名を名乗ったりすると、
「本当に警察かもしれない」
と思ってしまう方もいると思います。
最近の「ニセ警察詐欺」は、単に電話でお金を要求するだけではありません。
LINEなどのビデオ通話へ誘導し、警察官の制服姿を見せたり、警察手帳や逮捕状のようなものを提示したりして、被害者を信じ込ませる「手口」が確認されています。
犯人は、相手に考える時間を与えず、周囲へ相談させないよう、さまざまな方法を使ってきます。
今回は、最近増えている「ニセ警察詐欺」について、実際の手口と見破るポイントを分かりやすく解説します。
「ニセ警察詐欺」の被害はどれくらい発生している?
「ニセ警察詐欺」は、現在では決して珍しい手口ではありません。
2026年7月末までの全国の認知件数は5,422件、被害額は約617億1,000万円にのぼっています。
同じ期間の特殊詐欺全体では26,051件、被害額は約2,108億1,000万円となっています。
さらに2025年1年間では、ニセ警察詐欺だけで、認知件数11,014件、被害額約1,005億円という非常に大きな被害が発生しました。
「特殊詐欺=高齢者だけが狙われる」と思われがちですが、そうでもないのです。
2025年のニセ警察詐欺では被害者の年代は「30代が最多」で、若い世代にも被害が広がっています。
1:「あなたの口座が犯罪に使われている」から始まる
よくあるのが、
「あなた名義の銀行口座が犯罪に使われています」
「あなた名義の携帯電話が不正契約されています」
「逮捕した犯人から、あなたのキャッシュカードが見つかりました」
などと言われるケースです。
突然「犯罪」「逮捕」などという言葉を出されると、「自分は何もしていないのに、どうしよう」と不安になりますよね。
犯人は、まずその不安を作ります!
そして、
「あなたも捜査対象になっている」
「逮捕される可能性がある」
などと言い、さらに冷静に考えにくい状態へ追い込んでいきます。
2: LINEへ誘導し、制服・警察手帳・逮捕状を見せる
ここは、今のニセ警察詐欺で特に知っておいてほしいポイントです。
電話のあと、
「LINEを追加してください」
「ビデオ通話で確認します」
などと言われることがあります。
ビデオ通話に切り替わると、
- 警察官のような制服姿
- 警察手帳のようなもの
- 自分の名前が書かれた逮捕状のような書類
などを画面越しに見せ、信用させようとします。
実際に、LINEのビデオ通話で偽の警察手帳や、被害者の実名入りの逮捕状を見せたケースが確認されています。
元女性警察官けぃのひとこと
私が実際に特殊詐欺を取り扱ってきた中でも、犯人はなんとかして「本物」と信じ込ませようとしてきます!
制服を見せる。
警察手帳を見せる。
自分の名前が書いてある警察書類を見せる。
ここまでされたら、信じてしまう方がいても不思議ではありません💦
でも、覚えておいてください!
警察がLINEなどのメッセージアプリで捜査のやり取りをしたり、警察手帳や逮捕状の画像を送ったりすることは「絶対に」ありません!
3:次々と別の人物が登場して、考える時間を奪う
「ニセ警察詐欺」では、電話口での登場人物がコロコロ変わるケースもあります。
最初は「電話会社」や「行政機関」を名乗る人物。
次に「警察官」。
さらに「検察官」など、別の役割の人物に交代するケースがあります。
私が実際に取り扱ったケースでも、
「警察官」「銀行員」「弁護士」など、さまざまな立場を名乗る人物が次々と登場する
ことがありました。
複数の人から同じような説明をされると、「やっぱり本当なんだ」と思ってしまいやすくなります。
でも、これも犯人側の狙いです!
色々な人物と話をさせることで信憑性を高め、さらに次々と話を進めることで、被害者に考える時間を与えないようにしています。
4:「誰にも話すな」と家族や周囲から切り離す
犯人がよく使うのが、
「これは秘密の捜査です」
「家族にも話してはいけません」
「誰かに話したら守秘義務違反になります」
という言葉です。
実際に、こうした言葉で周囲に相談できないケースが確認されています。
中には、家族との連絡を絶たせるため、ホテルへ移動するよう指示されるケースまでありました。
特殊詐欺の犯人にとって、一番困るのは、
「被害者が誰かに相談すること」
です。
家族や友人に、
「こんな電話が来てるんだけど…」
と話せば、
「それ詐欺じゃない?」
と気づかれる可能性が高くなるからです。だからこそ、犯人は孤立させようとします。
「誰にも話すな」と言われたら、それ自体を疑うきっかけにしてください!
5:電話を切らせず「そのまま」ATMや送金へ誘導する
特殊詐欺でよくある流れが、「電話を繋がせたままATMへ向かわせる」という手口です!
「今からATMへ行ってください」
「電話は切らないでください」
「携帯をポケットに入れたまま、こちらの指示どおり操作してください」
と、犯人がずっと電話を切らせないように会話を続けます。
なぜ電話を切らせないのでしょうか。
それは、
・「家族に相談」させない
・ 銀行員など「第三者と話す時間」を作らせない
・「冷静に考える時間」を与えない
ためです。
ニセ警察詐欺では、「資産を確認する」「口座を調査する」「一時的に預かる」などと言って送金を要求する手口が確認されています。
警察が捜査のために、
「あなたのお金をこの口座へ振り込んでください」
と要求することは絶対にありません!
6:電話番号が本物でもすぐに信じないで!
もう一つ注意したいのが、「履歴に残った電話番号」です!
スマートフォンに表示された番号を検索して、「本当の○○警察署の番号と一緒!」となれば、安心してしまいますよね。
しかし、実在する警察署などの電話番号に偽装して表示させる手口が確認されています!
そのため、
「表示されている番号が本物だから安心」
とは判断しないでください。
一度電話を切り、必ず「自分」で警察署の「公式な電話番号」を調べて、「調べた番号からかけ直す」ことが大切です!履歴に残った電話番号から、かけ直してしまってはいけません💦
相手から、「確認するならこの番号へ」と教示されても、その番号には電話しないようにしましょう。
7:最近は「偽の警察サイト」まで作られている
さらに巧妙なケースでは、「警察の公式サイトに見える偽サイト」まで作られています!
実際に、
「あなたに逮捕状が出ている」と言われ、
「LINE」に送られたURLにアクセスすると、
「偽サイト」に接続、案内通り操作すると
自分の名前が書かれた「逮捕状」のような書類が表示された
ということがありました。
ここまで用意されていると、「本物だ」と思ってしまっても仕方がありません😅
しかし、これさえ覚えていれば大丈夫です!
警察は、LINEで連絡を取ろうとすることはありません!
LINE動画もしません!画像で逮捕状を提示することも絶対にありません!
どれだけ技術が進歩しても、電話連絡はしますが、警察業務は直接の「対面対応が基本」です😊
「警察です」と言われたらどうすればいい?
怪しいと思ったら、難しい対応をする必要はありません。
「相手の部署や名前、連絡先」を聞いてから折り返すと言って、
電話を切りましょう😊
そして、
- 自分で最寄りの警察署の電話番号を調べて確認する
- 警察相談専用電話 #9110 に相談する
- 緊急性や危険がある場合は 110番
で大丈夫です。
「本当に警察だったら、電話を切ったら怒られるのでは?」
と心配しなくて大丈夫です。本当の警察官であれば、怒ることも、ここで拒否することもありません!
確認するために電話を切ることは、防犯上とても大切な行動です!
「これが出たら要注意!」ニセ警察詐欺チェック
次のうち、「一つでも」でてきたら、「電話を切って確認」しましょう!
- 「あなたの口座が犯罪に使われている」
- 「あなたを逮捕する可能性がある」
- LINEなどのSNSへ誘導された
- ビデオ通話で警察手帳や逮捕状を見せられた
- 「誰にも話すな」と言われた
- 捜査のためにお金を送るよう言われた
- 電話を切らずにATMへ行くよう指示された
何度もいいますが、
警察はSNSで捜査のやり取りをしない
警察手帳や逮捕状の画像を送らない
捜査名目でお金を要求しない
ということを、覚えておいてください!
まとめ|「警察」と言われても「一度切って確認する」
ニセ警察詐欺は、
「自分は犯罪に関係しているかもしれない」
という強い不安を利用する詐欺です。
そして犯人は、LINE、制服、警察手帳、逮捕状、複数の登場人物などを使い、考える時間を奪い、誰にも相談できない状態を作ろうとします。
でも、覚えておいてほしいのは一つです。
「警察です」と電話が来ても、不審に思ったら一度切って確認して大丈夫ということ!
誰かに相談する時間を作ることが、被害を防ぐ大きな一歩になります。
「この電話、本物かな?」
そう思った時こそ、一人で判断しないようにしましょう😊



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